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登山時の疲労解消法(5)膝への負担を軽減するには

この記事は 登山時の疲労解消法(4)疲労時の膝痛への対処法 の続きです。

目次

膝痛を予防するには大腿筋を鍛えればいい?

登山における膝痛対策で、スクワット運動(筋トレ)をして筋力を付けるという方法が紹介されていることがあります。

でも私は必要以上に筋力をつけることには反対です。

筋力UPの何がいけないのか、ここでまず野球のメジャーリーグで活躍するイチロー選手の言葉を紹介させて下さい。

イチロー選手も訴える筋力よりも柔軟性とバランス

40歳を超えても現役で活躍しているイチロー選手。

あるインタビューで、昨今野球界では筋力UPで体を大きくする傾向があることに意見を聞かれて、「その人が生まれ持ったバランスを崩しちゃダメ」と話しています。

さらに、イチロー選手は「筋力つけると逆にバッティングでのスイングスピードが落ちる。筋肉が付き過ぎて体がうまく回転しなくなるから」と説明します。

また、「筋肉が肥大して体重が重たくなることで、鍛えることが難しい腱や関節に負担がかかることで怪我を起こしやすい」ことも指摘しています。

40歳を超えても怪我無く、高いパフォーマンスを維持している選手の言葉にはとても説得力があると思います。

下山時の膝への負担はどうやって減らせる?

野球だけでなくスポーツ全般、そして登山でも同じことが言えます。

運動中の特定の動きに力を与えているのは、必ずしも、筋力だけではないということです。

野球のバッティングで言うとそれは腰を中心として体全体の回転を生み出す柔軟性がポイントになります。

登山では最も足に負担がかかると言われる下山。

その中で、大きな段差が続く道は特に、膝にも大きな負担がかかります。

この時に膝への負担を軽減するのが股関節の動きになります。

股関節が動けば膝に負担がかからない

それは幼児が階段を下りる姿を見れば分かります。

幼児は未発達の足で勢いよく着地するとバランスを崩しやすいです。

しかも歩幅(脚の長さ)と比べると階段の段差が大きく、こうした大きな段差を下りる際に実は、股関節の可動域を最大限活用して下りています。

しかし、大人になると脚が長くなるので、股関節を使わずとも階段を下りれることが出来るので、皆さん使わなくなるのです。

子どもの頃は皆できていた

幼児は体が柔軟ですから、その柔らかさを活かして、誰に習わずとも大きな段差を上手に克服しているのです。

誰しも幼児の時は経験してるので、柔軟性さえ取り戻せば股関節を使って下りることができます。

私たちが日常で使用する階段(20cm)程度なら負担は少ないですが、登山ではそれよりも大きな段差があることが多く、また歩く時間も長いことで膝への負担が大きくなっています。

股関節を使ってゆっくり柔らかく着地することで、膝への負担が確実に軽減できます。

言葉で説明するだけでは難しいので、今度動画を掲載しようと思っていますが、身近に小さなお子さんがいる場合は下り方を是非観察して見て下さい。

股関節をうまく動かすには

膝痛トラブルの主因となっているのは大腿四頭筋の疲労による硬直です。

大腿四頭筋だけに頼った歩行をしていることで、膝が痛くなりやすいのです。

ですから腰から下の下半身全体をうまく活用した歩き方が出来ることが重要になるのです。

そのため、内転筋群、大臀筋、腸腰筋、腹直筋、腹斜筋、広背筋と、大腿部など、股関節周囲筋の柔軟性を上げるようにしましょう。

極端に筋力が無い方や、重装備を背負う方をのぞいて、筋力UPは不要です。

ちなみに、私も普段筋トレはしません。

体のコンディション作りはストレッチだけです。

筋力UPが必要な場合って?

ただ、もともと運動不足で筋力が弱い方、高齢で筋力が落ちてきている方や重装備を背負う方は筋力UPや筋力維持の運動が必要です。

それでも、登山は有酸素運動ですから短時間の「筋トレ」ではなく、有酸素運動を行うのが重要です。

実際に山を歩くか、走るか、自転車に乗るのがいいと思います。

有酸素運動ですから最低でも30‐40分は運動したいです。

走るのが苦手な方はスロージョギング(歩くペースで走る)がオススメです。

近所のウォーキングなら重りを入れたのザックを背負ったり、坂道を選んで負荷をかけて歩くのがいいでしょう。

たまにしか登山に行けない方は、日常の中で運動していないと登山に適した体力はKEEPできないですからね。

歩き方が重要です

「山の歩き方」と言っても複雑な理論が存在するわけではありません。

基本的には、その人が本来持っている能力を十分発揮出来るようにすることが一番なのです。

肩こりや腰痛などは、特定の姿勢や動きを継続し続けることで筋肉が硬直した状態です。

このような状況ではトラブルの原因になって当たり前、能力は発揮出来ません。

本来のあなた自身が持っていた歩き方を取り戻すのです。

もう忘れてしまっているかもしれませんが、子どもの時にはできていたのです。

特に体が硬いと自覚のある方は、是非ストレッチを習慣にして、その歩きを取り戻してください。

※本文中の記載を修正しました「腰⇒股関節」

本文中で「腰を動かす」と解説して来ましたが、「股関節を動かす」に用語の使い方を修正しました。

客観的に動きをみると、腰が動いているように見えますが、動いている関節は股関節になるためです。

山の歩き方講習会で、歩き癖のチャックをしています

LISが開催している山の歩き方講習会では、1人1人の歩き癖のチェックを行っています。

バランス良く、均等に体重をかけて歩いている方は実際には非常に少なく、大半の方は重心のかけ方に「偏り」があります。

偏りが大きい方ほど、それが靴擦れや膝痛などの原因になる傾向があります。

姿勢改善の方法も指導していますので、機会がありましたら、是非、山の歩き方講習会へご参加ください。

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